相変わらず雑記

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天皇杯の価値

今日、サッカーの天皇杯の決勝で、延長までやってガンバ大阪が柏に勝ち、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)への出場権を手に入れた。今年、ガンバ大阪ACLを制したが、来年からのACLの改組のために優勝チームは来年の出場権を手にすることはなくなった。また、今期のガンバ大阪はリーグ戦8位のため、リーグ上位3位までに与えられる出場権も逃していた。天皇杯で優勝していなければ、今季の王者がACLの出場権をも逃していたということだ。

見方を変えれば、日本のサッカーのレベルが上位陣については、差がなくなってきたとも言える。鹿島アントラーズが2連覇をしているとはいえ、勝ち点だけをみると7位の浦和まで10点差となっている。また、2005年、2006年王者が今季7位、8位となっているところをみても、どこが勝ってもおかしくない状態となっている。このため、今年はプロ野球と同じく結構混戦で最後の方は非常に面白かった。

この混戦がアジアでの日本チームの活躍にも現れているのではないかと思う。事実、今季のACLでは準決勝までに3チームが日本チームだった。クラブワールドカップでは、マンチェスター・ユナイテッドとの差(つまり世界との差を)をまざまざと見せつけられたけれども、会場でガンバの頑張りを観た興奮は期待以上のものだった。

さて、2009年度からのACL出場枠は日本からは、4チームに拡大された。それまでは、天皇杯とJ1王者のみだったので、倍増となった(2008年度は、浦和が前年度王者だったため、決勝トーナメントから出場し、3チーム出場)。J1上位3位までと天皇杯優勝チームが出場することができる。

この出場権の与え方は、UEFAチャンピオンズリーグの出場権の与え方と違う。UEFAでは、各国のリーグ戦上位クラブに出場権を与えている。天皇杯のようなカップ戦勝者は、UEFAカップ(2009年度からUEFAヨーロッパリーグに大会名が変更)に出場する。UEFAカップは欧州のカップ戦の王者を決める大会だが、チャンピオンズリーグの予選3回戦の敗者や、グループリーグ3位クラブがチャンピオンズリーグから回って出場してくるため、UEFAカップよりもUEFAチャンピオンズリーグの方が権威が高い。そのため、国内カップ戦(日本では天皇杯のような位置づけ)では下部リーグ所属のチームが世界的に有名なチームを倒すという、ジャイアント・キリングと言われる現象が結構起こっている。日本でも、天皇杯でアマチュアチームがJクラブに勝利することがある。

欧州においては、国内カップ戦に対してモチベーションを保つことは重要ではなく、それよりも国内リーグで上位に食い込みチャンピオンズリーグの出場権をもぎ取ることにモチベーションが割かれる。天皇杯でも、上位チームが軒並み早い段階で負けたため、モチベーションという面ではなかなか難しいかもしれないが、リーグ上位争いから、早々に脱落してしまったチームにとっては、ACLに出場できる唯一のチャンスなので、モチベーションが上がることが多いのではないかと思う。これが、欧州のカップ戦とは違うところであり、違った面白さが浦和とガンバ大阪の活躍で、これから出てくるのかもしれない。