相変わらず雑記

最近はダイエットを中心に書いています

もっと見ていたかったチーム

昨夜のパラグアイとの試合で、今大会から去ることになったサッカー日本代表。どこでも言われていることであるけれども、正直大会が始まる前は、僕自身も全く期待していなかった。イングランド戦以降、いい試合をしていたと思ったけれど、やはり勝てなかったというのは、期待値に与える影響は大きい。

そんな中で、カメルーン戦以降、見違えるようにチームは変わっていった。守備的すぎて、攻撃が少ない、ボールポゼッションが極端に低いという批判はあるけれども、そういった批判も勝ってしまえば消えてしまうし、そういう批判をモノともしないぐらい日本の守備は輝いていたと思う。個々人の力では負けているとか、やはり見ていても他の国もすごいとは思うけれど、勝負なのでやはり勝つためにはというのを見据えて、集中していた日本代表は素晴らしいと思った。

このスタイルになる前は、中盤から崩していくというパスサッカーと、前からプレスをかけていくと言うスタイルだった。この戦法でも、去年9月のオランダ戦の前半のように、強豪と呼ばれる国の攻撃をかなり食い止めることができた。しかし、スタミナの問題、そして、攻撃ではやはりアジアでは通用しても、世界の強豪相手には通じなかった。

日本の世界的にみるポジションというのは、非常に難しい。アジアレベル、例えばアジア予選などを戦っているときなどは、今回日本がやった守備的なサッカーを相手がやってくる。それを日本はパスサッカーで崩し攻撃していく。しかし、アジアでは通用するサッカーが、世界では通用しない。そうすると、もう一つの今回のようなスタイルを作らなければならない。強ければ自分たちのスタイルを貫くことができるし、弱ければ弱いなりのサッカーで対抗することができる。そういった観点からみると、日本のポジションというのは、非常に難しい所にある。

岡田監督は、アジアレベルで通用したサッカーが世界レベルでも通用すると思っていたのだろう。しかし今年に入って、しかも直前まで試したけれど、いい成果が出なかった。そこで、今大会とった戦法を採らざるを得なくなった。ただこの転換を行ったことで、選手達がまとまったのではないかと思う。どういう話が出たのか、どういった作戦会議が行われたのか分からないけれども、指揮官が腹を括り、選手も腹を括ったようにみえた。

カメルーン戦以降、選手の必死さが光っていたと思う。カバーし合い、相手とぶつかり合っていた。そしてチームとしてまとまっていた。チームの一体感も見ているものに訴えかけてくるような、そう去年のWBC日本代表のように、そういった一体感を感じることができた。

ただ、惜しむらくは、グループリーグで南米のチームと対戦することができなかったことだ。それぐらい、昨日の試合はグループリーグで戦った相手とは違っていた。とりわけ際立っていたのが、セカンドボールの処理。セカンドボールを拾うことが守備的なスタイルでの生命線と言っていいほど、重要なことであるけれども、後半途中までほとんどパラグアイにセカンドボールを独占されていた。献身的な守備、川島の的確な判断のおかげで、失点することは防いでいたけれども、いつゴールを決められてもおかしくない状況だったと思う。その点において、グループリーグの相手よりも、オランダよりも、パラグアイは別格であった。

後半途中からは、パラグアイにも疲れが見え始めてきたのか、日本もセカンドボールを拾える様になってきた。相手もより攻撃的なスタイルにチェンジしてきたこともあって、日本も中村憲剛を入れて攻撃的なスタイル、大会前までやろうとしていたスタイル(多少違うけれど)にシフトチェンジした。相手が疲れていることもあり、中村憲剛がパスを散らして、相手のゴールにドンドン迫っていった。もう少し、その間の連携が築けていたら、もっといいチャンスが生まれていたと思う。この後半から延長までの時間は、新しい可能性を示していたと思う。

そして、PK戦PK戦は、本当に運なので仕方ないと思う。どんな名手であってもPKを外してしまうこともある。しょうがない。PKで敗戦が決まってしまったというのは、ものすごく不本意であるけれども、感動をありがとうと言いたいと思う。ただ、もっと今のサッカー日本代表を見ていたかったし感じていたかったし、どこまで進化することができるのか見てみたかった。また、日本vsスペインという、考えられうる最高のカードを見てみたかったと思う。それだけが悔しい。